塗装のことは塗装屋さんにお任せってわけにはいかないんですか?
一概にどの業態が良いとも言えないし、逆に悪いとも言えないのが現状です。
痛い目にあいたくないのであれば、やはりある程度の知識をつけて、自分自身で、工事中にチェックしてみることをオススメします。
工程ごとにチェックポイントを紹介していきます。
記事のもくじ
塗装工事のチェックポイント
仮設足場の組み立てはプロが行っている?
今ではあまり見かけなくなってきましたが、本来は足場にかける費用を浮かすために、塗装業者さんが勝手に足場を組んでしまう事例があります。
足場の職人さんがスピーディーに組んでいくところを見ていると、なんか自分でもできそうな気になってきてしまいますよね。でも、足場を組む行為自体、教育を受けていなければやってはいけないことです。
つまり、本職の足場職人さんが組んだ足場と、塗装業者さんが見様見真似で組んだ足場では、完成度や安全面で雲泥の差がでてきます。
外壁塗装の際には、本職のプロの足場屋さんが、しっかりと足場を固めてくれることで、塗装屋さんが安心して隅々まで塗装工事を行う事が出来るんです。
中途半端な知識で組んだグラグラ・ガタガタの足場では、建物の端や細部などを塗布する事が出来なくなってしまいます。
結果として、塗装屋さんの利益は若干残るかもしれませんが、塗りづらい箇所の塗膜が薄くなったり、届かない場所を塗らなかったりします。塗膜が薄くなると本来の効果を発揮する事が難しくなるし、塗らないなんて問題外ですよね。
ハシゴで塗っているなんて話も聞いたことがありますが、そんなガタガタの足元で、いい仕事が出来るはずがないです。
似たような事例で、足場のシート養生を行わない業者もいます。この事例の特徴としては、塗膜の精度に対し適当な業者が多いです。
なぜこんな事をするのかというと、足場のシート養生の手間を省いて工事の回転率を上げ、ちょっとでも利益を多く得ようとしているからです。
足場の職人さんがガッチリとした足場を組み、更にきれいにシート養生されているか?
チェックしてみましょう。
外壁の洗浄をしているか?
約10年もの間、紫外線、雨、雪、強風、ホコリなどを防いできた外壁には、汚れ、ゴミ、虫など、あらゆるものが付着しています。
塗料を塗りはじめる前の段階で、それらをきれいに取り除かなければなりません。付着物をきれいに洗い流すことで、外壁と塗料の密着度を高め、高い精度の塗膜を作る事が出来るからです。
そういった理由から、外壁の塗り替えの際は高圧洗浄等によりしっかりと洗浄をするところからはじめます。
家全体の外壁を洗浄するとなると、丸一日使うほどの作業となり、時間的にも体力的にも大きな負担です。
だからこそ、この作業を端折る業者が少なくありません。
水をかけるだけなど、適当な洗浄作業しかしなかったり、そもそも洗浄作業自体を省き、汚れが付着したままで塗りはじめてしまう業者もあるようです。
高圧洗浄機を使って、家の大きさにもよりますが、概ね1日程度の時間を使いしっかりとした洗浄を行っているかどうかをチェックしてください。
下地補修、下地処理が行われているか?
壁のクラック(ひび)等を補修もせずに放置したまま塗装してしまうと、補修しなかった部分の劣化が早まってしまい、表面上はきれいに見えても、塗装された壁の中では劣化が進行し続けます。
ここでも同じような理由、費用や手間を惜しんだ業者が適当に済ませるケースがあるようです。
劣化した箇所に上から塗料をかぶせてしまうと、見た目だけはきれいに見えるため気づきづらいですが、着実に進行する劣化が家を腐らせてしまい、数年後に外壁が剥がれるどころか、壁に大きな穴が空いてしまったという事例もあります。
外壁塗装の塗り替えの際には、ここが非常に重要なポイントとなります。
下地処理とは、洗浄された外壁の表面に出てきた傷を補修した後に、壁全体を滑らかにする事です。塗料が塗られた時に、外壁に塗料が乗りやすい状態に整えてあげるわけです。
下地処理が行われなければ、塗膜の密着度は低くなってしまいます。
しかしここにも落とし穴があって、下地処理をしたかどうかなんて、完工した際には調べようがありません。
だからこそ、悪い業者さんの場合には手抜きできるポイントになります。
この下地補修と下地処理は、手を抜かれやすく、更に手を抜かれると取り返しのつかない重要なポイントですので、しっかりと確認してくださいね。
窓やフードの養生はされているか?
塗装工事が始まる前に、そもそも塗ることがない窓やフード等は、マスカー等の養生材できれいにしっかりと養生を行います。
塗料が窓などに付いてしまわないように、丁寧な養生を行うと費用も手間もかかります。なのでここを端折って適当な養生で工事をはじめてしまう業者がチラホラいます。
しかし、養生は塗装の基本でもあります。その基本が抜け落ちている業者さんが、良い業者さんであるはずがありません。ある意味、ここさえ見ておけば今後の仕事全体を見通すことが出来るはずです。
養生も満足にできず、雑な仕事をする業者は素人も同然です。
塗料が適正に使用されているか?
ここから塗料についてです。
まずは塗料の原価を抑えるため、見積もりで提示した塗料を使用せず、グレードの低い安価な塗料で施工してしまう業者もいます。1ランク下の塗料を使って材料費を浮かせようという魂胆です。
ただ、これをやられてしまうと、素人では仕上がり状態で材料の差を見抜くなんてことはほぼできません。
見積もりでは材料名を記載してもらい、更に塗る前に使用する材料の写真を撮ってもらうなどして予め予防しましょう。
約束通りの塗料を使っていたとしても、次は希釈の問題があります。
塗料ごとの性能、効果を十分に発揮させるためには、それぞれに決められた計量を行い、決められた配合を行う必要があります。
しかし、故意か過失かは別として目分量で配合してしまう業者がいます。その結果、十分な効果を発揮できない塗料を家全体に塗布してしまい、劣化を早めてしまうことになりかねません。
更に似たような事例で、希釈は十分だとしても、材料費を抑えるためにあえて薄く塗る業者さんもいます。
希釈と塗る厚みを規定のものにすることで、塗料の性能が発揮できる塗膜が出来上がるので、気をつけておきましょう。
また、外壁塗装とは『下塗り』『中塗り』『上塗り』の合計3回の塗りが行われます。
単純に3回やらなければならないものを2回で済ませる業者や、1回の塗装が終わった後のインターバル、乾燥時間を十分に確保しない業者もいます。
こういう部分をしっかりと確認できる手段を持っておくことが大切だと思っています。
例えば業者からこういう提案があるのであれば、良い業者さんと言えるのかもしれませんね。